長野県内にはリスペクトするような絶景が各所に存在する。エリアや季節ごとにその絶景を楽しむことができ、一生に一度は訪れておきたいものである。さあ、春夏秋冬で未知の絶景に出会う旅に出かけてみよう。 NAGANOの春暦 4月（卯月）＿松代東条あんず 長野市松代地区、尼巌山・奇妙山の南麓一帯、なだらかに広がる扇状地に、薄い紅色の花をつけるアンズの林。好天の日には残雪の北アルプスの山並が重なる素晴らしい風景が広がる。 5月（皐月）＿中山高原 春の到来を告げる可愛らしい菜の花。残雪の北アルプスの気高く、険しい山容と、澄み切った青空にほんわりとした菜の花畑がよく似合う。黄色い絨毯の上にごろんと横になりたい気分。 6月（水無月）＿白糸の滝 岩肌に糸のような細い滝が幾筋も沸き出し、繊細な白糸の美と周りを囲む壮大な木々の対比が美しい軽井沢の名所。軽井沢の澄み切った空気と清々しい水音で五感から癒されていく。 NAGANOの夏暦 7月（文月）＿開田高原 山岳信仰の対象として、古くから人びとに崇められてきた霊峰御嶽山（3067ｍ）。信仰の中心である御嶽神社では、毎年7月に例大祭が繰り広げられる。日本在来馬のひとつ・木曽馬のぷっくりとした大きなお腹と艶やかな毛色が、夏の御嶽山によく似合う。 8月（葉月）＿千畳敷カール 本州の中央部に位置する中央アルプスの観光の中心。約2万年前の氷河期の時代に、氷河に削り取られてできた大壁面はカールと呼ばれ、険しいアルプスの山容を見せる。雪渓が溶ける7～8月頃には一面の花畑となる。 9月（長月）＿鏡池 峻険な戸隠連峰をまるで鏡のように映し出す、美しく澄んだ池。春の新緑、涼風の夏もそれぞれの美しさを醸し出すが、ことに秋の紅葉は幻想的で写真愛好家が全国から集う。 NAGANOの秋暦 10月（神奈月）＿黒川牧場 南アルプスと中央アルプスを望む、大鹿村にある公共牧場（現在休止中・2019年9月頃復旧予定）。国道152号線から東へ、中峰黒川林道を進んだ先にある。カラマツや白樺の林が夕焼けを浴びて黄金色に輝く姿が美しい。 11月（霜月）＿白馬三山 北アルプス白馬三山（白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳）。本格的な冬に向かう頃、山頂に積もる雪の白、山腹に残る紅葉の赤や黄、山麓の針葉樹の緑からなる白馬三段紅葉（見られるのは10月中旬～下旬）が姿を見せる 12月（師走）＿安曇野の白鳥 安曇野の犀川のほとりにあるダム湖と御宝田遊水池に飛来し、越冬して2月下旬から北へと帰るコハクチョウ。安曇野に訪れる冬の使者は、北アルプスを背景に優雅に空を舞う。 NAGANOの冬暦 1月（睦月）＿北八ヶ岳ロープウェイの樹氷林 北八ヶ岳ロープウェイで標高2240mの山頂へ。真冬になるとダイヤモンドダスト、樹氷、霧氷などの絶景が見られる。真っ青な空に突き刺すようにのびた真っ白な樹氷林は圧巻。 2月（如月）＿浅間山 標高2568m。なだらかな稜線、その美しい山容は四季折々で姿を変え、妖艶な姿で見るものを魅了する。冬の雪を抱いた姿は自然の雄大さを改めて感じさせてくれる。 3月（弥生）＿大王わさび農場のわさび園 大正時代初期、扇状地に豊富な湧水を使用したわさび田の開拓に着目。荒地を20年かけて切り開いた大王わさび農場。現在では日本一の栽培面積を誇る、広大なわさび園が広がる。